国際保健用語集
用語 | 安全な妊娠イニシアティブ |
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概要 |
(英語訳 : Making Pregnancy Safer Initiative) 安全な妊娠イニシアティブはWHOが進める母児の死亡率減少を目指した主導であり、安全な母性イニシアティブ(Safe Motherhood Initiative)を発展させたものである。安全な母性イニシアティブは、1987年にケニアで開催された「家族計画を通じた女性と子供のよりよい健康に関する国際会議」(International Conference on Better Health for Women and Children through Family Planning)において提唱された、女性の安全な妊娠、出産を目的としたものである。UNFPA,UNDP, UNICEF, WHO, World Bank, NGOなど10機関が共同で実施し、家族計画、妊婦健診、清潔で安全な分娩介助、必須産科ケア(Essential Obstetric Care: EOC)などを主要な活動として取り組んできた。 その後、2000年にミレニアム開発目標の1つに妊産婦の健康改善が盛り込まれるようになると、安全な母性イニシアティブを進めるためのより具体的な戦略として、WHOは”Making Pregnancy Safer”を掲げた。この安全な妊娠イニシアティブは、安全な母性イニシアティブと同様、妊娠・分娩・新生児のリプロダクティブ・ヘルス・ライツに焦点をあてているが、より妊産婦と乳児の死亡削減に有効な、エビデンスに基づいた介入を実施しようとするものである。(柳澤理子) |
用語 | 学校保健 |
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概要 |
(英語訳 : School Health) 現在学校保健の途上国支援の主流は包括的学校保健となっている。WHOはこの包括的学校保健をコンセプト化してHealth Promoting Schoolというヘルスプロモーションを基盤とした戦略を打ち出した。 他にもUNICEF等各ドナーが包括的学校保健について独自の戦略を打ち出していたが、2000年にFRESH(Focusing Resources on Effective School Health)として各開発パートナーが同意した戦略として統合されている。戦略は以下の4つのコンポーネントを統合的に行うものとなっている。1)学校保健に関連したポリシー 2)安全な水と環境 3)健康教育 4)学校を基盤としたヘルス、栄養のサービス。援助する側からは見逃されやすいものとして「学校保健に関連したポリシー」であるが、これは自発的な発展を促すには必要不可欠なコンポーネントとなっている。 学校がそれぞれのポリシーをもち自発的学校保健活動を展開し、さらに学童それぞれがポリシーをもち学校保健活動に主体的に取り組むことで継続性のある学校保健が展開できるのである。Health Promoting Schoolには上記4つのコンポーネントとは別に独立したコンポーネントとして「地域との連携」をあげられていたが、FRESHでは地域との連携はすべてのコンポーネントに重要であるとされている。つまり学校から地域にポリシーや環境改善、健康教育を発信でき、逆に地域住民が学校保健に参画することによってより効果的かつ継続的に学校保健活動が展開できることになる。 現在包括的学校保健は、感染症対策における健康教育のアプローチとしても注視されソーシャルワクチンの一つともいわれている。また包括的学校保健はヘルスプロモーションの一環としても重視され、途上国保健開発の新しいアプローチとして取り上げられるにいたっている。(小林潤) |
用語 | 妊産婦死亡率 |
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概要 |
(英語訳 : MMR, Maternal Mortality Ratio) |
用語 | 女性器切除 |
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概要 |
(英語名称:FGM/C, Female Genital Mutilation/Cutting) |
用語 | 天然痘 |
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概要 |
(英語名:smallpox、variola) |
用語 | 多次元貧困指数 |
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概要 |
(英語訳: MPI, Multidimensional Poverty Index) |
用語 | 外傷後ストレス障害 |
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概要 |
(英語訳 PTSD, Post Traumatic Stress Disorder) |
用語 | 地理情報システム |
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概要 |
(英語訳:GIS, Geographic Information Systems) GISは、デジタル化された地図データや位置情報を持つさまざまなデータを統合的に扱い、データの作成、視覚化、保存、利用、管理する情報システムそのものを意味してきた。データは地図上に表示されるので、解析対象の分布や密度、空間検索や空間分析の結果を視覚的に把握することができる。我が国では、1995年の阪神淡路大震災での復興支援事業を契機に、空間的思考や意思決定を支援する新しいツールとして幅広く認知されるようになった。今日では、地理情報に固有な問題を幅広く対象とし、地理情報を系統的に処理する方法論を研究する新しい学問領域(地理情報科学 Geographical Information Science)として知られる。 保健医療分野におけるGISの利用は、疫学情報の視覚化(疾病地図)、疾病の地域集積性の検出、疾病の地域リスク要因の検討、感染症媒介生物の生態解析、保健医療サービスの計画・評価、保健医療情報のインターネット配信など多岐に渡る。地理空間的視点から疫学研究に取り組む空間疫学(Spatial Epidemiology)は、GISと親和性が高い。 センサスやサーベイランスにGISを導入する事例が増えており、GPS(Global Positioning System)で測位した位置情報と調査データを連結させて、疾病対策などに活用されている。広域観測が可能な地球観測衛星から得られる植物活性、土地被覆分類、地形情報、大気情報、海面温度などの種々のリモートセンシングデータは、定量的かつ面的なもので、患者や感染症媒介生物の地理情報と組み合わせて、疫学分析に活用されている。(谷村晋) |
用語 | 地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワーク |
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概要 |
(英語訳 : Global outbreak alert and respondr network) 病原体はダイナミックに変異し、速やかに増殖して新しい環境や宿主に柔軟に適応する能力を持つ。 これらの生物学的特性に加え、人類の生活圏の拡張は未知の病原体との遭遇機会を提供し、交通手段の発達は迅速で長距離の病原体の移動を可能にした。このような病原体の拡散による感染症大流行に対応するため、2000年にWHOは地球規模感染症に対する警戒と対応ネットワークGOARN: Global Outbreak Alert and Response Networkを構築した。 そのシステムでは既存のネットワークを活用して、情報・経験・技術の国際間での共有を目指す。新しい感染症流行を系統的に情報収集し、流行の規模と重大さを科学的に迅速に確認し、確認した事実はネットワークを介して全世界に伝達し、必要に応じて国際協調して支援して、大流行による被害を最小限に防ぐサーベイランスの仕組みである。 毎年100カ国以上から200件以上の感染症流行の情報が収集され、GOARNが対応を判断する。国際的な対応が必要となる感染症は、1)未知の病原体の可能性がある、2)期待値より異常に罹患率や死亡率が高い、3)国境を越えて隣国に波及する、4)人間や物の交流によって隣国に運ばれる、5)流行当該国の対応する能力を越えている、6)事故や故意に拡散されている、などである。SARSや鳥インフルエンザでGOARNの対応能力が示された。 |
用語 | 地球温暖化 |
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概要 |
(英語訳:Global warming) |