国際保健用語集

用語 ミレニアム開発目標
概要 (英訳:MDGs, Millennium Development Goals)

2000年9月、189カ国の首脳が出席した国連ミレニアム・サミットでの合意をもとに設定された国際社会共通の開発目標。
これは、1990年代に多くの国際会議やサミットで提唱された開発目標を統合し、一つの共通の枠組みとしてまとめたもので、2015年までに各国が達成すべき8目標を定めている。
8つの目標とは、

1)極度の貧困と飢餓の撲滅、
2)普遍的初等教育の達成、
3)ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上、
4)乳幼児死亡率の削減、
5)妊産婦の健康の改善、
6)HIV/エイズマラリア、その他の疾病の蔓延防止、
7)環境の持続可能性の確保、
8)開発のためのグローバル・パートナーシップの推進、

である。
過去の開発援助の経験から、成果を重視する動きが生まれ、ミレニアム開発目標では達成期限と具体的な数値目標が設定されている。
2008年1月15日には数値目標の内容が改訂され、保健医療分野と直接に関連している項目では、リプロダクティブ・ヘルスへの普遍的アクセスの達成と、2010年までに必要に応じたHIV/エイズ治療への普遍的アクセスの達成などが新たに加えられた。
ミレニアム開発目標は、援助国が開発途上国を側面で支えること(パートナーシップ)とともに、開発途上国が自ら責任を持って開発に取り組むこと(オーナーシップ)を重視している。
また、ミレニアム開発目標は分野ごとの開発目標を示しているが、貧困やジェンダーなどの分野横断的な視点に基づいた取り組みも必要である。
(池上清子)