国際保健用語集

用語 リプロダクティブ・ヘルス・ライツ
概要

(英語訳:Reproductive Health/Rights)

リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは、人間の生殖システム、その機能と(活動)過程のすべての側面において、単に疾病、障害がないというばかりでなく、身体的、精神的、社会的に完全な良好な状態にあることを指し、1994年にカイロで開かれた国際人口開発会議の行動計画で採択された。その具体的内容は、1)カップルが自分たちの意志でいつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶ自由を持つこと、2)カップルが性感染症の恐れなく安全で満足のいく性生活を持てること、3)女性が安全な妊娠と出産を享受できること、4)生まれてくる子どもが健全な小児期を過ごせること、であり、思春期や更年期における健康上の問題等生涯を通じての性と生殖に関する課題が幅広く議論された。

翌年北京で開催された第4回世界女性会議でも、リプロダクティブ・ヘルス・ライツは女性の人権であり、女性は自らの出産数を管理する権利を持ち、リプロダクティブ・ヘルスを促進すべきであること、とされ、カイロ会議と同様の定義の下、最高水準の健康を享受する女性の権利は、全ライフサイクルを通じて男性と平等に保障されなければならない、と行動綱領に明記された。

2014年カイロでの国際人口開発会議から20年の節目となり、MDGsの達成期限の2015年を前に、1)尊厳と人権、2)保健、3)人の移動、4)ガバナンスとアカウンタビリティー、5)持続可能性、を5つの柱として行動計画の実施状況の検討が行われた。(松本安代)