国際保健用語集
用語 | ハンセン病 |
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概要 |
(英語訳:Hansen’s disease 、Leprosy) |
用語 | デング熱 |
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概要 |
(英語訳 : Dengue fever) デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、病原体にはフラビウイルスに属しDEN-1からDEN-4の4種の血清型がある。主要な媒介蚊は昼間活動性のネッタイシマカ(Aedes aegypti)で、都市に生息してヒトを好んで吸血する。 感染者は不顕性感染から重篤で致命的となる出血熱型まで多様で、血管の透過性が亢進し血小板が減少するものをデング出血熱と診断する。デング熱対策は媒介蚊対策が基本となる。 ネッタイシマカが発生する水場環境をなくす住民教育、蚊の幼虫駆除などが実施されている。デング出血熱になれば早急に入院管理しなくてはならない。 デング熱は人類の活動にあわせて盛隆と衰退の歴史を繰り返した。大航海時代にネッタイシマカとデングウイルスは世界に拡散し、18世紀後半にはアジア、アフリカ、北アメリカに定着し、周期的に流行した。 現在の世界的流行は第二次世界大戦後に発生した東南アジアでの流行が発端で、この頃にデング出血熱の症状が出現した。 アメリカのデング熱流行はドラマティックで、黄熱対策としてネッタイシマカの駆除を徹底し、デング熱も激減したが、1970年に黄熱対策を中断してから徐々に復活した。その復活に拍車をかけるのが1980年代にアジアからアメリカに生息域を拡張した第二の媒介蚊ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)の存在がある。 アフリカでもデング出血熱の大流行が懸念され、現在は再興感染症と考えられる。 |
用語 | タンパク・エネルギー栄養失調症 |
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概要 |
(英語訳 : Protein Energy Malnutrition) タンパク質エネルギー欠乏症は生命に必要な主要栄養素が不足する状態であり、死亡原因になりやすい。アフリカを中心に全世界で4億人が苦しんでいると言われている。通常5歳未満の子どもが最も深刻な影響を受けるが、それより年長の子どもや成人が冒される危険性も高い。 タンパク質エネルギー欠乏症はマラスムス(Marasmus)、クワシオコール (Kwashiorkor)、マラスミッククワシオコール(Marasmic kwashiorkor)に分けられる。 マラスムスは長期間のエネルギーおよびタンパク質両方の不足による低体重で、肩、腕、尻、腿が骨と皮しかない重度の低栄養状態(やせ)である。いわゆる”old man face(老人のような顔)”、”baggy pants(尻の皮膚がたれてだぶだぶのパンツのよう)”の特徴がある。その他の症状として、空腹(hunger)、萎れた様相(wizened appearance)、落ち着きがなく興奮状態、食欲がない、髪が薄いか全くない等がみられる。 クワシオコールは1~4歳に多く診られる。エネルギーに比してタンパク質摂取が不足した状態であり浮腫が診られるのが大きな特徴である。蛋白合成ができないための浮腫により体重は不変かむしろ増加することがあり、太っているように見えることもある。その他の症状として脱色したような髪の色、皮膚病”flaky-paint(肌の色の部分が薄い色になる)”、無表情、陰気、過剰反応、食べる意欲がない等がある。 マラスミッククワシオコールはマラスムスとクワシオコールの両者が重なった症状で低体重かつ浮腫が診られる。 タンパク質エネルギー欠乏症に対する一般的な治療は2フェーズからなる。初期段階としての短期的治療と食料援助による注意深いモニタリング、その後の長期的段階としてのリハビリテーションと再発予防である。WHOとユニセフではPEMの対策として完全母乳と適切な補助食の普及を図るためのIYCF(Infant and Young Child Feeding)グローバル戦略を途上国に推奨している。(石川みどり) |
用語 | ソーシャルマーケティング |
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概要 |
(英語訳:Social Marketing) |
用語 | セクターワイドアプローチ |
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概要 |
(英語訳 : SWAps, Sector-Wide Approaches) |
用語 | スピリチュアル・ヘルス |
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概要 |
(英語訳:Spiritual Health) |
用語 | ストップ結核パートナーシップ |
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概要 |
(英語訳 : Stop TB Partnership) 世界の結核制圧を目標として、2000年のアムステルダムで開催された結核高蔓延20カ国による外相会議で設立が呼び掛けられ、2001年にスイスのジュネーブに設立されたパートナーシップである。現在世界100カ国以上で、1500ほどのパートナーで構成されており、構成員は政府機関(保健省等)・研究機関・国際機関・ドナー・非政府組織(NGO)さらに、個人等であり、あらゆる個人や団体が参加することが可能である。 本パートナーシップの目標達成のための指標として、設立当初は「2005年までに70%の感染性結核患者を発見し、その内の85%が治癒すること」と設定され、その後国連ミレニアム開発目標(MDGs、Millennium Development Goals)の指標を補足するものとして、以下の指標が設定されている。「2015年までに、結核死亡数と結核有病率とが1990年における数値を半減させる」、「2050年までに、世界の結核罹患率が人口100万人対1以下(=結核制圧)となるようにする」。 現在このパートナーシップには10の作業部会(薬剤耐性結核、HIV合併結核、結核検査強化、結核伝播終息(感染防御)、公私連携強化、小児結核、新結核診断技術開発、新抗結核薬開発、新結核ワクチン開発、結核患者権利保護の各作業部会)があり、各分野から結核終息に向けてのあらゆる資源と技術の投入を促進している。 日本においても同様な趣旨で、2007年に「ストップ結核パートナーシップ日本(STBJ)」が設立され、日本国内でその趣旨に賛同する個人や団体による世界の結核終息を目指す連携が形成されつつある。(大角晃弘) |
用語 | ステークホルダー |
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概要 |
(英語訳 : stakeholder) 利害関係者と訳される。「ステーク」とは「何かの結果によって失う危険のある大事なもの」で、通常は賭け金や投資など金銭を指す。企業活動などで使われる場合は、「ステークホルダー」とは企業の意思決定によって直接的に大きな影響を受ける人々で、投資家や株主である。他にも間接に金銭的な利害が生じる対象としてビジネスパートナー、取引先、従業員、組合、利用者(消費者)などがある。 最近では、ステークの内容は名声・生活環境・安全など有形無形なものに拡大して解釈される。社会秩序や倫理、自然環境に与えるリスクを考慮すると、全人類や次世代までステークホルダーに含まれることもある。 国際保健の領域で使われるステークホルダーは、介入やプロジェクトを担当する援助機関・相手国実施機関、直接的に便益を受ける対象となるグループや組織、さらにプロジェクトの対象とならないが間接的に便益や不利益を受けるグループや組織である。プロジェクトが及ぼす影響を拡大して解釈すれば、ステークホルダーの範囲も拡大して考えなくてはならない。また、プロジェクトが意図的に影響を与える集団をターゲット・グループと呼び、ステークホルダーよりは限られた集団である。 |
用語 | スティグマ |
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概要 |
(英語訳:Stigma) |
用語 | スケールアップ |
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概要 |
(英語訳:Scale up) これ自体が特別な用語ではないが、2006年頃からエイズ対策などのプログラムの中で汎用される言葉である。日本語では「拡大」とか「展開」と訳されていることが多い。 政府があるプログラムを開始する際に、ある一部の地域でパイロットとしてプログラムを開始し、パイロット終了後にパイロットを評価し、その後の全国展開の段階を「scale up phase」と呼ぶことがある。また、このような地理的な「スケールアップ」以外に、例えば、病院レベルのみで実施されていたエイズ治療を、保健所やコミュニティーレベルでも実施しようとするときも、「スケールアップ」と呼ぶことがある。 エイズ対策は、一部のパイロット地域や限られた施設でのプログラムの成功例は多くあるが、全ての住民にプログラムでの医療サービスが行き届くようにすることが一番の難しさとも言われている。一方、国連・WHOはエイズ対策として2010年までに誰もがエイズ予防・ケア・治療へのアクセスを持つことを目指した「Universal Access」を打ち出しており、最近「スケールアップ」の言葉が多くの国で使用されるようになった。(垣本和宏) |
用語 | ジェネリック医薬品 |
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概要 |
(英語訳 : Generic Medicine) |
用語 | シャーガス病 |
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概要 |
(英語名:Chagas' disease) 主に中南米において広く蔓延している寄生虫疾患で、貧困層家屋の土壁に多く生息するサシガメが媒介している.サシガメは吸血すると糞をするが、その中にトリパノソーマという寄生虫が生息し.刺口部の痒さから手でこすることにより寄生虫は傷口や眼より感染する.心臓の筋肉に寄生虫が入り込むと心機能(しんきのう)が低下し、消化官に侵入した場合はが、腸 や食道が袋状に巨大化し機能障害を起こすが、病状が進行した場合の効果的治療法は未だ確立されていない。これらのことから、感染予防と家屋内の殺虫剤散布によるサシガメの駆除、初期診断治療を徹底することが重要な戦略となっている。 1990年代には中南米全体では約1,000万人が感染し、毎年約20万人が新たに感染していた。このようななか1998年第51回国連世界保健総会において、「2010年までにシャーガス病の感染中断を達成させる」こと が決議された。これを基にWHOパン・アメリカ地区事務局(PAHO)ではJICAのほかカナダなどの国際機関やMSFなどのNGO?とのパートナーシップ形成を進め、大規模な対策がリージョンで進んだ。この結果、現在では制圧の一歩手前の最終段階まできていると各ドナーは報告している。 また世界的には近年、Chagas' diseaseはNTD:Neglected Tropical Disease?の一つとして位置づけられ対策が進められることになった。(小林潤) |
用語 | コンピテンシーモデル |
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概要 |
(英語訳 : Competency Model) コンピテンシーの定義には幅がみられるが、包括的には「仕事上の役割や機能をうまくこなすために個人に必要とされる、測定可能な知識、技術、能力、行動及びその他の特性のパターン」(アメリカ合衆国人事管理庁)と定義されている。共通しているのは、?行動に表れている、表すことができること、?その能力、特性が結果や成果と結びつくものであることであり、我が国の人事院人物試験技法研究会では、コンピテンシーを「行動に表れる能力、特性。結果や成果と結びつく能力、特性。」と定義し、いわば職務遂行能力と捉えている。 WHOでは、WHOグローバル・コンピテンシー・モデルを作成し、結果をだす仕事ができる人材育成の方針を明らかにしている。コア・コンピテンシー7項目(?信頼できる効果的なコミュニケーション、?自己認識・自己管理、?成果を生み出す行動、?変化する環境への対応、?統合とチームワークの育成、?個人・文化相違の尊重・奨励、?規範の設置)、マネージメント・コンピテンシー3項目(?自己裁量権をつくり労働環境の活性化、?資源の効果的な利用、?組織内・外の連携の強化)、リーダーシップ・コンピテンシー3項目(?将来の成功への起動、?新制度・組織的学習の促進、?WHOの位置づけの促進)の計13項目について、定義、効果的行動特性、非効果的行動特性を整理している。(水嶋春朔) |
用語 | グローバルヘルス |
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概要 |
(英訳:Global Health) 保健医療問題が国境を越えて拡がる事が多くなってきた。発展途上国、工業国にかかわらず国際保健医療の問題が発生して健康格差が生じている。 これらの問題の実態を明らかにして解決方法を探り対策を講じる必要性が増している。今までインターナショナルヘルスが一般に使用されてきたが、地球規模の問題は国境の概念を超えるので用語にもグローバルヘルスが導入、使用され始めている。 交通運輸の革命的発展がこれらの進行を促進している。国際政治の世界的展開にも関わりグローバルヘルス問題はますます関心を集める様になっている。地球環境問題の影響の拡がりも大きな要因である。世界の保健医療問題を世界規模で対応するのは国連の世界保健機関(WHO)であるが、各国共に関心が増大しODA, 財団などNGOも積極的に乗り出している。 グローバルヘルスで対象となる分野は極めて広いが、従来からの懸案として挙がっているのは感染症、母子保健、栄養不足問題などインターナショナルヘルスと同様であるが、難民の保健問題、糖尿病など栄養異常問題、生殖医学、生命倫理などを取り入れる立場もある。感染症問題ではエイズ、結核、マラリア(ATM)が三大感染症として大きく取り上げられているが、その他にも生命に大きく関わる下痢症、呼吸器感染症などに支援がなされている。 ワクチンで予防できる感染症は世界規模で対策が進められていて天然痘の根絶成功いらいポリオ、麻疹などに進展が期待されている。インフルエンザ、SARSなども地球規模(Global)の対策が必須である。如何にして対応するかが国際的な競争の中で研究、実行されている。(石井 明) |
用語 | グローバルエイジング |
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概要 |
(英語訳 : Global Ageing) 国連の人口推計によれば、2015年の世界人口において65歳以上人口が占める割合は8.3%であるが、この割合は2050年にはほぼ倍の15.8%に上昇する。世界全域で高齢人口割合は上昇するが、いまだ低いアフリカ地域においても、高齢者数に注目すると、2010年から2030年にかけて高齢者数は倍増し、アジアやラテンアメリカと同様の伸びを示す。人口高齢化は、出生率・死亡率の低下、若者の移出といった要因によりもたらされる。死亡率が低下した長寿社会が高齢社会であり、それは祝福すべきことであるが、低すぎる出生率、多すぎる若者の移出は社会の存続をおびやかすものである。保健分野に注目すれば、高齢化により慢性疾患が増加し医療費の増大をもたらすが、さらに低・中所得国では早すぎる人口高齢化により、感染性疾患と慢性疾患のいずれもが蔓延する二重負担(Double Burden)状態となっており、保健システムの拡充が求められる。2002年にスペイン・マドリッドで開催された高齢者問題世界会議(国連主催)では、世界全域における高齢化に対し、活動的な高齢化(Active Ageing)の推進をはじめ、高齢者の活発な社会参加と開発、環境整備を謳っている。(林玲子) |
用語 | グローバリゼーション |
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概要 |
(英語訳 : Globalization) モノ、サービス、資本、情報、人、文化など、経済活動をはじめとする人間の様々な営みが国家の枠組みを超えて地球規模に拡大することをいう。交通・通信手段の発達によって可能になった。グローバリゼーションの波は過去3回あるとされ、1回目の1870~1914年には世界中で1人当たりの所得が急上昇し、2回目の1950~80年には先進国の経済統合が進んだ。3回目に当たる現在のグローバリゼーションは1980年ごろからとされ、途上国の世界経済への統合が進みつつある。こうした中、統合に成功した途上国では経済・社会的な成長が見られる一方、潮流に取り残された途上国では20億人もの人々が経済の縮小や貧困の拡大の中で暮らすなど、途上国間で格差が広がっている。グローバリゼーションの影響は経済的側面だけに限らない。世界中に張り巡らされたインターネット網・テレビ映像から伝えられる外国の情報やそれに付随した価値観は自国の伝統的な文化・社会的制度の変容を加速させ、また大量高速輸送網に支えられた頻繁な人の移動は感染症の急速な拡大を容易にする。2002年に中国で最初の感染が確認されたSARS(重症急性呼吸器症候群)は、北京や香港からの人の移動によって瞬く間に世界に感染が広がり、グローバリゼーション時代を象徴する公衆衛生学上の新たな課題として世界中から大きな注目を集めた。(小堀栄子) |
用語 | クワシオコール・マラスムス |
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概要 |
(英語:Kwashiorkor ,Marasmus) クワシオコール、マラスムスは、重度低栄養の病態分類である。クワシオコールは主にタンパク質の摂取不足が原因とされ、体重減少は比較的少なく、特徴的な両足の浮腫をもって診断される。一方マラスムスはエネルギー摂取不足が原因とされ、体重減少が極めて顕著であるため、身長対体重が70パーセンタイル未満あるいは -3SD未満で診断される。しかし実際には両病態を合併する場合(マラスミッククワシオコール)も少なくない。コミュニティにおいては、簡易的に上腕周囲径(MUAC:Mid-upper Arm Circumference)を測定し、スクリーニングすることもある。 これらの重度低栄養は特に小児に多くみられ、低血糖症、低体温症、各感染症、重度電解質平衡異常などの、小児にとっては生死にかかわる疾病をきたすことも多い。このため一連の治療計画として、アセスメント、治療、マネジメント、規則的な栄養供給、そしてモニタリングが必要である。回復には数週間を要し、低栄養状態が繰り返すことのないよう、計画的な退院を実施する。さらに近年では、WHOとUNICEF?により、ビスケットやペーストのようなすぐ食べられる治療食(RUTF:Ready to use therapeutic foods)を使用し、合併症のない重度低栄養の子どもを対象としたコミュニティベースの試みも始められている。(野村真利香) |
用語 | キー・インフォーマント・インタビュー |
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概要 |
(英語訳:Key informant interview) キー(重要な)インフォーマント(情報提供者)に対するインタビュー(直接の聞き取り)である。 人類学では、研究対象となる社会、文化の一員であり調査者が知りたい事柄に精通し、概念、言語、世界観、具体的事例などに関して口述で詳細な表現ができる人のことを指す。 キー(核となる重要な)という言葉から研究対象地域で、地域リーダー、教師、医療スタッフなど、社会的役割を担っている人という意味で誤用されている時があるが、本来は調査のトピックに関して知識がある重要な情報を持っているという意味でのキー・インフォーマントである。 実験における被験者、心理学研究における被験者、アンケートを使う社会調査の回答者と異なる点は、元々長期にわたり調査地域に入り込みフィールドワークを行う研究者に対して、現場において研究者と密接に接触し情報提供を行うことである。 そのため、ラポール(友好的な人間関係、信頼関係)の構築が必須である。また、原則的にはこの様なインフォーマントから十分な情報を得るためには、一度のインタビューでは十分でないため、複数回のインタビューを重ねる必要が出てくる。 通常、構造化インタビューではなく、調査トピックの大まかな枠組みの中で自由且つ臨機応変に質問を行って、インフォーマントやその周辺の人々の考え方、価値観、意見などに対して内容を深めながら聞き取る方法である。その意味ではキー・インフォーマント・インタビューとIn-depth-interviewとほぼ同義語といえる。(松山章子) |
用語 | キャパシティ・ディベロップメント |
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概要 |
(英語訳 : CD, Capacity Development) |
用語 | カナダ国際開発庁 |
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概要 |
参考 → カナダグローバル連携省 |