国際保健用語集
用語 | プリシード・プロシードモデル |
---|---|
概要 |
(英語訳:PRECEDE-PROCEED Model) 米国、カナダを中心に、世界各地でよく用いられているヘルスプロモーションや保健プログラムの企画・評価モデルである。PRECEDE-PROCEEDモデルは以下の段階からなる。 第1段階:社会アセスメント:対象集団が自分自身のニーズやQOLをどう考えているのかを知る段階。 第2段階a:疫学アセスメント:健康目的を具体的に特定する段階。 第2段階b:行動・環境アセスメント:健康問題の原因となっている行動要因と環境要因を特定する段階。重要性と変わりやすさによって要因をしぼり、行動目的あるいは環境目的を作成する。 第3段階:教育/エコロジカル・アセスメント:行動・環境目的を達成させるために、具体的に変えていかなくてはならない要因を特定する段階。要因は準備要因、強化要因、実現要因の3つのカテゴリーにわけられる。 第4段階:運営・政策アセスメント:プログラムに必要な予算や人材などの資源とプログラム実施の際の障害などを明らかにする。現行の政策、法規制、組織内での促進要因や障害要因なども明らかにする。 第5~8段階:実施と評価:プログラムの実施段階では、さまざまな介入策を組み合わせていく。評価の視点は最初の段階からもったほうがよい。第4段階までに適切な指標を作ることによって、後の評価が簡単になる。 実施がある程度すすんだところでプロセス評価を行う。事業に投入した内容、実施段階での諸活動、プログラム関係者の反応などを評価する。次は影響評価である。第2b、第3段階で設定した行動・環境目的と、準備要因、実現要因、強化要因の分析結果に基づいて得られた諸目的が、どの程度達成されたかを評価する。 最後に結果評価である。第1,第2a段階で設定したQOLに指標と健康目的を評価する。 Precede-Proceedモデルはあまりにも包括的すぎて、難しいという側面もある。しかしながら、このモデルの概要を知っておくことは、国際保健領域におけるヘルスプロモーション活動実践のためにも重要である。(神馬征峰) |
参考 | ローレンス・グリーン、マーシャル・クロイター:実践ヘルスプロモーション 医学書院、 2005年 |
---|