国際保健用語集

用語 QOL
概要 (英語訳:Quality of Life)

人生の質、生活の質などと訳される。1940年代末から臨床場面でとりあげられてきたが、近年は地域社会におけるヘルスプロモーション活動の最終ゴールをもQOLと位置づけるようになってきている。健康になることだけがゴールでない。今ある健康を手段として用い、いかにQOLを高めるかもまたゴールとされている。Spilker Bによれば、QOLは5つの領域から構成される。身体、心理とウェルビーイング、人間関係、経済・仕事、宗教・スピリットの5つである。QOLは、健康と直接関連のあるQOLと健康と直接関連のないQOLに分類される。健康と直接関連のあるQOLがカバーする領域は身体、心理とウェルビーイング、人間関係、宗教・スピリットなどである。これらを評価するための尺度としては、健康プロファイル型尺度としてSF-36, WHOQOL等がある。選考に基づく尺度としては、EuroQOLなどがある。健康と直接関連のないQOLがカバーする領域は、価値観、ソーシャル・ネットワークや仕事、物的環境(水、空気など)、文化施設など幅広い。この領域を包括的にカバーする尺度はまだ開発されていない。(神馬征峰)
参考