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国際保健用語集

用語 産科救急ケア
概要 (英語訳 : Emergency Obstetrics Care) 

妊産婦死亡を減らすために熟練した専門技能者(Skilled Birth Attendant:SBA)による分娩介助が必要であり、その熟練した専門技能者の分娩介助の下で緊急時に必要とされるケアを緊急産科ケア(Emergency Obstetric Care:EmOC)という。また、分娩周辺期のケアは新生児死亡にも大きく関わることから、緊急産科新生児ケア(Emergency Obstetric and Newborn Care: EmONC)ということが多い。

緊急産科新生児ケアは基礎的ケア、包括的ケアとレベルによって分けられている。
1)基礎的緊急産科新生児ケア(Basic EmONC)
抗生剤・子宮収縮剤・抗痙攣剤の使用、胎盤の用手摘出、流産等の子宮内遺残物の除去、吸引分娩等の器械的分娩補助、基礎的な新生児蘇生
2)包括的緊急産科新生児ケア(Comprehensive EmONC)
帝王切開、安全な輸血、仮死児の蘇生や低出生体重児のケア

人口50万人につき緊急産科新生児ケアを提供できる施設が最低5施設あること(うち1施設は包括的緊急産科新生児ケアが提供できる)、すべての女性が直接的産科合併症のケアを受けられること、全分娩に占める帝王切開率が5-15%であること、直接的産科合併症による死亡が施設で1%未満であること、が指標として最低限目標とすべきレベルとされている。(松本安代)